
高血圧
東京都品川区大井の大村病院は、大井町駅(バスで5分)、大森駅(バスで8分)、西大井駅(バスで10分)、立会川駅(徒歩12分)からアクセスしやすい内科・発熱外来/予防接種・脳神経内科・健康診断・各種検査・入院・訪問診療・在宅医療の病院です。
高血圧は日本人の約4,300万人が該当するとされる、最も身近な生活習慣病のひとつです(日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」より)。自覚症状がないまま血管へのダメージが蓄積し、脳卒中や心臓病といった命に関わる病気の引き金になることから「サイレントキラー」とも呼ばれています。
当院では月曜日から土曜日まで高血圧の外来診療を受け付けています(15歳以上が対象)。健診で数値を指摘された方、ご家族に高血圧の方がいて気になっている方は、お気軽にご来院ください。
そもそも血圧とは?
心臓はポンプのように収縮と拡張を繰り返し、全身に血液を送り出しています。このとき動脈の壁にかかる圧力が「血圧」です。心臓がギュッと縮んで血液を送り出す瞬間に最も高くなる値を収縮期血圧(上の血圧)、心臓が次の拍動に備えて広がっているときの値を拡張期血圧(下の血圧)と呼びます。
どこからが「高血圧」?
高血圧の診断基準は、診察室で測定した血圧が140/90 mmHg以上、家庭で測定した血圧が135/85 mmHg以上の場合です。病院では緊張で数値が上がりやすいため、ご自宅で測る家庭血圧のほうがより実態に近いとされています(日本高血圧学会「高血圧管理・治療ガイドライン2025」より)。
また、治療によって目指す降圧目標は、2025年に改訂された日本高血圧学会の最新ガイドラインで、年齢を問わず診察室血圧130/80 mmHg未満(家庭血圧125/75 mmHg未満)とされました。より積極的に血圧を管理することで脳卒中や心臓病の予防効果が高まるという研究結果に基づいた改訂です。具体的な目標値は患者様の状態によって異なりますので、医師とご相談ください。
高血圧になりやすい原因・リスク因子
日本人の高血圧の大半は「本態性高血圧」と呼ばれ、ひとつの明確な原因ではなく、体質や日々の生活習慣が複合的に関わっています。代表的なリスク因子は次の通りです。
- 食塩の摂りすぎ ― 日本人の食生活は塩分過多になりやすく、高血圧の最大の要因とされています
- 肥満・運動不足 ― 体重が増えると心臓がより多くの血液を送り出す必要があり、血管への負担が増します
- 飲酒・喫煙 ― アルコールの常飲や喫煙は血管を傷つけ、動脈硬化を促進します
- ストレス・睡眠不足 ― 交感神経が優位になり、血管が収縮しやすくなります
- 加齢・遺伝的素因 ― 年齢を重ねると血管のしなやかさが低下します。ご家族に高血圧の方が多い場合もリスクが高まります
このほか、腎臓や内分泌(ホルモン)の病気が原因で血圧が上がるケース(二次性高血圧)もあります。治療の方針が変わるため、原因の見極めが大切です。
高血圧の症状 ― なぜ”サイレントキラー”なのか
多くの場合、血圧がかなり高い状態でも自覚症状はほとんどありません。
ただし、血圧が急激かつ著しく上昇した場合(高血圧緊急症)には、激しい頭痛、視野の異常、吐き気、意識がぼんやりするなどの症状が出ることがあります。このような症状が現れた場合は、迷わず救急受診してください。
放置するとどうなる? ― 高血圧の合併症
症状がないからといって放置すると、長い年月をかけて全身の血管が傷み、ある日突然、深刻な病気として現れることがあります。
- 脳:脳梗塞や脳出血を起こし、麻痺・言語障害・意識障害などにつながることがあります。当院は脳神経内科を併設しており、脳卒中後の慢性期フォローにも対応しています。
- 心臓:心臓に過度な負担がかかり続けることで、狭心症・心筋梗塞・心不全などを発症するリスクが高まります。
- 腎臓:腎臓の細い血管がダメージを受け、腎機能が徐々に低下します。進行すると蛋白尿・血尿が出たり、透析が必要になる場合もあります。
- 眼:網膜の血管が傷つき、眼底出血や視力の低下を招くことがあります。
高血圧の治療
治療は大きく「生活習慣の見直し」と「お薬による治療」の2本柱です。まず生活習慣の改善に取り組み、それでも目標の血圧に届かない場合に降圧薬を使うのが基本的な流れです。
生活習慣の見直し
① 減塩 ― まず取り組みたい最重要ポイント
塩分を多く摂ると体内に水分がたまりやすくなり、血液の量が増えて血圧が上がります。日本高血圧学会が推奨する目標は1日6g未満です。しかし、令和5年(2023年)の国民健康・栄養調査によると、日本人の食塩摂取量の平均は1日あたり9.8g(男性10.7g、女性9.1g)と上回っている状況です(厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査」より)。意識的に減らす取り組みが必要です。
今日から試せる減塩のコツ
- かつお節や昆布でしっかりだしを取り、調味料を減らす
- レモン・酢・スパイスなど、塩分以外の風味づけを増やす
- しょうゆは「かける」より「つける」ようにする
- みそ汁は具だくさんにして汁の量を減らす
- ラーメンやうどんのスープは残すようにする
- 減塩タイプの調味料を取り入れる
② 適度な運動
ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動には、血管を広げて血圧を下げる働きがあります。無理のない範囲で、日常生活に運動を取り入れることが大切です。どのくらいの運動が適切かは体力や持病によって異なりますので、主治医にご相談ください。
③ 節酒
日常的な飲酒量が多い方は、それだけで血圧が高くなりがちです。ご自身の飲酒量(種類・量・頻度)を一度書き出して数値として見えることで、適量を意識しやすくなります。気になる方は受診時に医師へお見せください。
④ 禁煙
喫煙は一時的に血圧を上げるだけでなく、血管の内壁を傷つけて動脈硬化を加速させます。高血圧の方にとって禁煙は、減塩と並んで特に優先度の高い生活改善です。
お薬による治療(降圧薬)
生活習慣の改善だけでは血圧が十分に下がらない場合や、合併症のリスクが高い場合には、降圧薬を使って血圧をコントロールします。
降圧薬にはいくつかの種類があり、患者様の年齢・合併症・ほかに飲んでいるお薬との相性などを総合的に考慮して処方いたします。途中で「調子が良いから」と自己判断でやめてしまうと、血圧が急に跳ね上がることがありますので、必ず医師の指示に従って続けてください。

